メンズカジュアルコーデに取り入れたい着物・和服の羽織

羽織は着物・和服を着るときのものだけではない

和装としての羽織は、スーツでいえばジャケットに近い役割があり、着物や小物と組み合わせることで様々なシーンで活用できるアイテムです。

羽織の由来は、戦場で武将が鎧の上から羽織った「陣羽織」から来ているといわれています。江戸時代以降になると、町人など男性の正装として「紋付羽織袴」が登場し、現代では結婚式に新郎が着用するなどの使われ方が一般的になっています。

羽織のことは知っていても、実際にどのような場面で着用するのかよく知らない方も多いのではないでしょうか。こちらでは和服をカジュアルコーデに取り入れたい方のために、羽織はどのようなときに着るものなのか、時代背景も踏まえて解説いたします。

防寒具の役割

室町時代後半以降、「紅葉の頃から桜の咲く季節」までが羽織を着用する季節とされており、主に防寒着としての役割がありました。洋服で例えると、コートというよりもジャケットに近い役割で扱われており、室内で着用していてもマナー違反にはなりません。

服装をおしゃれに見せる役割

羽織はアウターの役割があり、必ず着用しなければならないものではありません。しかし、羽織を使うことで全身のスタイルがまとまりやすくなり、よりおしゃれでこなれた演出ができます。

洋服に合わせてカジュアルコーデに

男性の和服は落ち着きのあるシックな色合いのものが多く、洋服のカラーとは違った着こなしが楽しめます。羽織のようなアウターは普通のカジュアルコーデにも使いやすく、気軽に取り入れられるアイテムとして注目されています。

場面や時期によって羽織を使い分けよう

和服だけでなく洋服にも取り入れられ、着こなしを引き立たせてくれる羽織ですが、羽織には種類がいくつかあり、それぞれ異なる特徴を持っています。羽織の種類を知って、さらに幅広いコーディネートを試してみるのもよいでしょう。

カジュアル用

羽織は用途や丈の長さでいくつかの種類がありますが、カジュアル用では中羽織と呼ばれる膝丈くらいの長さの羽織が好まれます。最近では古着を愛用するおしゃれな男性が、羽織や着物生地を使用した羽織風のアウターを洋服と合わせるスタイルも目にするようになりました。

中羽織をカジュアルコーデに取り入れる際は、全体的にゆるめの感じでまとめ、ボトムもゆるめのタイプを選ぶと袴のような印象になり統一感が出ます。また、他のアイテムをタイトなものでまとめることで羽織のゆったり感とのメリハリを持たせたコーデもおすすめ。

茶羽織という腰くらいまでの丈の短いタイプもあります。旅館などで室内用として使われることもあるアイテムです。丈が短く中羽織ほど気を遣わなくてよいので、はじめは茶羽織から取り入れてみるのもよいかもしれません。

礼装用

礼装用としてよく知られているのが紋付きです。冠婚葬祭などのフォーマルな場で着用するものです。黒門付きの場合は家門が5つで、足袋と羽織の紐は白と決まっています。黒羽織には家紋が付いていないタイプもあり、普段着として着用が可能です。

色紋付は家紋の数が1から5まであり、数が多い方が格も高くなります。足袋はできれば白が望ましく、紐の色は羽織の色と統一するのが一般的です。礼装用にはそれぞれ決まりがあるため、着用する前に確認をしておきましょう。

季節ごとの羽織

羽織は季節ごとに違いがあります。

• 袷羽織…裏地が付いているタイプで、寒い時期に着用します。
• 単衣羽織…初夏や初秋の時期に着用するもので、基本的には単衣の着物に合わせます。
• 綿入れ羽織…中に綿が入っているため暖かく、普段着や室内着として活用されています。
• 夏羽織…7～8月の一番暑い時期に着用するタイプで、生地には絽（ろ）、紗（しゃ）、麻が使われているのが一般的です。

着物・和服は男性の魅力を引き出してくれる

「着物に興味はあるけどいつ着たらいいかわからない」とお悩みの男性も多いのではないでしょうか。着物は結婚式やお正月といった特別な日だけでなく、普段着としてカジュアルに着ることも可能です。

こちらでは、男性の魅力を引き出してくれる着物のメリットを解説します。

相手からの印象を強めることができる

着物は女性でも男性でも特別感のあるファッションアイテムです。品がある、落ち着いているといった印象に見せることができます。

サプライズ感がある

いつもは洋服を着る人がふいに着物を着ると、ギャップを作り出すことができます。人とかぶることも少なく、会う人へのサプライズ感もあるのです。

女性の着物より着付けが簡単

「着物は着るのが難しい」といった印象があるかもしれませんが、男性の着物は女性の着物よりも簡単に着ることができます。小物も少なく、数回練習するだけで着られるようになる方も多いです。

リーズナブルな価格で買える

「着物は高い」「クリーニングにもお金がかかる」といった印象をお持ちの方も多いはずです。確かに、こだわりの着物を作ろう・手に入れようとすると、それなりの金額がかかります。しかし、最近では自宅でも洗える生地の着物も増えており、必要な小物がセットになっているものもあるため、想像よりもリーズナブルに購入できます。

日本人らしさを表現できる

日本の着物は、海外からとてもポジティブな印象を持たれています。国内外において、日本人らしさやアイデンティティを表現するにはピッタリの服装です。

着物初心者の男性が知っておきたいこと

これから着物を普段着として取り入れたい男性の方は、着物を購入する際や着る際に、以下のポイントを意識してみてください。

着物の選び方

着物を購入する際は、仕立てる場合と既製品を購入する場合の2パターンがあります。仕立てると自分に合った着物を作れるため、着こなしやすい点がメリットです。既製品は購入してすぐに着用できる点がメリットといえます。

また、着物は色や柄の他に素材選びも重要です。比較的リーズナブルな価格で購入できるポリエステルや、高級感がある絹など、様々な素材があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の好みや用途、予算を踏まえて選ぶようにしましょう。

男性の着物の着方

着物は様々なシーンで着ることができますが、TPOに合った着こなしが大切です。例えば、普段着であれば着物＋帯だけで問題ありませんが、伝統芸能の観劇やお食事会などの少しフォーマルな場で和服を着る際は羽織をプラスした着こなしがおすすめです。

また、歩いたり食事したりする際は洗える着物を選んだり、おしゃれに着こなしたいときは帽子を合わせてみたりと、シーンに合わせて工夫しましょう。

和服をメンズカジュアルコーデに取り入れるなら着物リメイクがおすすめ

羽織にはいくつかの種類があり、それぞれのシーンや季節に合わせて普段の服装に取り入れるとこなれた着こなしが楽しめるでしょう。

WEAR 2.5では、着物生地をリメイクした和服スタイルのオリジナルブランドを展開しています。近年、和服を取り入れたカジュアルコーデが注目されるようになり、若い層から中高年まで幅広い年齢層の人がコーディネートに和服を取り入れるようになりました。メンズカジュアルやレディースカジュアルなど、いつもとは違うコーデを楽しみたい方は、ぜひ一度お試しください。